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トポイソメラーゼーⅡの高発現はamrubicinの投与を受けた再発SCLC患者の予後良好因子

はっきりと選択すべき抗癌剤が定まっていないrefractory relapseでの抗癌剤の選択に有用かもしれません。

目的:アムルビシン単剤療法は再発小細胞肺癌(SCLC)患者の治療の選択肢である。アムルビシンの標的であるトポイソメラーゼⅡ(Topo-Ⅱ)は様々な悪性腫瘍患者での化学療法への反応性や予後に対する予測的、予後的マーカーであると報告されてきた。ここにアムルビシン単剤療法を施行した再発SCLC患者でのTopo-Ⅱの予後的役割を調べた。

方法:2004年から2015年の間に1次化学療法を行って進行した後にアムルビシン単剤療法を受けた再発SCLC患者83人を対象とした。医療記録から臨床データを後方視的に集め、外科的切除または生検によって得られた腫瘍検体でのTopo-Ⅱの発現レベルを免疫組織化学染色で評価し
た。

結果:登録患者の多くは高齢男性(89%)であり、年齢中央値は70歳(49-83)であった。これらの患者の16%がTopo-Ⅱの過剰発現を示した。Sensitive relapseと比べて、refractory relapseの患者では有意にTopo-Ⅱの発現レベルが高かった(p=0.03)。全奏効率はTopo-Ⅱの発現レベルが高い患者で38.5%であり、低い患者で25.7%であった(p=0.34)。多変量解析ではTopo-Ⅱの発現レベルが高い患者は低い患者と比べて無増悪生存期間(hazard ratio (HR), 0.39; p<0.01)と全生存期間(HR, 0.48; p=0.04)が長かった。

結論:Topo-Ⅱ発現はTopo-Ⅱ阻害剤であるアムルビシンによる治療を受けた再発SCLC患者において良好な予後を予測する有意なバイオマーカーであることを同定した。このようにTopo-Ⅱ発現はアムルビシンの効果の有用な予測因子でありうる。

High expression of topoisomerase-II predicts favorable clinical outcomes in patients with relapsed small cell lung cancers receiving amrubicin
lung cancer January 2018Volume 115, Pages 42–48
by eijurespiratory | 2017-12-17 10:00 | 腫瘍

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